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「きみの瞳が問いかけている」は主演2人の瞳に引き込まれる切ないラブストーリー

今回は、映画「きみの瞳が問いかけている」をご紹介します。

この映画は、吉高由里子さんと横浜流星さんが主演の切ないラブストーリー。

恋愛から遠ざかっている人も、自然と恋って良いなと思える作品ですので、ぜひ最後までお付き合いください。

忙しい日常に「胸キュン」して癒やされたい方に、ぜひオススメの作品です

映画「きみの瞳が問いかけている」はどんな映画?

目

さっそく、映画「きみの瞳が問いかけている」がどんな映画か、ご紹介します。

  • 作品名:きみの瞳が問いかけている
  • 公開:2020年
  • 監督:三木 孝浩
  • 主演:吉高由里子、横浜流星

ストーリー

不慮の事故で視力を失ったヒロイン明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた青年・塁(横浜流星)の切ないラブストーリー。

この映画はなんと言っても、三木監督が褒めちぎるほど、吉高由里子さんと横浜流星さんの演技力の高さが素晴らしいです。

吉高由里子さんは、盲目の女性という難しい役柄に完璧になりきっています。

その陰で、役作りのために実際に盲目の人の話を聞いて真似をしたり、普段から杖を持ち歩いて、目をつぶって歩く練習をしたりと、涙ぐましい努力をされたとか。

吉高由里子さんの女優魂を感じますよね。

 

横浜流星さんは、常に役を生きると本人が言うくらい、全力で演じる人物と同化することでも有名ですが、この作品では特に目だけで微妙な感情の起伏を表現するのが上手いです。

闇の世界にいた時の正気を全く感じられない瞳と対照的に、明香里(吉高由里子)といる時の塁(横浜流星)は、子犬のように澄んだ瞳をしています。

一方で、セクハラ上司から明香里を守ろうとする時の殺し屋のような眼光鋭い視線と、彼女のために命懸けで戦う時のハンターの目は、美しくもゾクゾクさせられます。

こういう闇を抱えた難役を繊細に演じられるのは、横浜さんの最大の魅力だと思います。

おそらく初恋同士のふたりの関係は、付き合うまでは片想いの初々しさもありながら、どこか一歩引いているようなところもあり、ラブシーンと呼べる部分は少ないです。

ですが、かえってそれが大人っぽい、恋ではなく愛と認識できるところがとてもグッときます

盲目の障害者への認識を変える映画

盲目

明香里の生活を見ていると、偏見を持たれたり、同情されたり、上から目線で接する人もいたりと、盲目の方の生きにくさを思い知らされます。

ですが、意外と本人はそれをハンデと思ってなくて、普通の女性のように料理もするし、オシャレも楽しんでいる姿を見て、いかに自分も誤解していたかがよくわかりました。

特に、上司の暴力を受けてもなお職場に行こうとする明香里を塁がたしなめるシーンでは、

  • こんな惨めな思いをしても生きるためにはひどい職場にしがみつかないといけない彼女の苦悩
  • 塁の「俺が守ってやらなきゃ」という上から目線の同情心に対して、憤慨する明香里

こういったところに、明香里の真髄を見た気がします。

ここで塁もようやく、自分が明香里の上辺しか見ていなかったことに気づいたような気がします。

ただ、そこから盲目の部分は上手くケアしつつ、彼女の幸せのためだけに、自分の全てを犠牲にしても愛を捧げるという見事な方向転換には驚きを隠せませんでした。

塁の「自分は傍にいられなくても、ただただ明香里の笑顔を守りたい」という無償の愛は、母親が子供のために尽くすのに理由はいらないのと同じで、親子愛を彷彿させる部分もあります。

異性をそこまで愛することをできるのは、素直に羨ましいと思ったし、自分の家族への接し方は正しいのかとハッとさせられました。

当たり前な日常は当たり前じゃない

私はこの映画を観る前までは、何かハンデのある人に対して、無意識に色眼鏡で見ているところがありました。

ですが、そういう人ほど自分にはない強さを持っているんだと、尊敬する気持ちが生まれました。

そして、明香里が健常者だった頃には当たり前と思っていた景色ほど、今では思い出せないと言っていた場面を見て、「今当たり前の幸せな生活を送れていることは、本当は奇跡に値するほどのことなんだ」と考えるようにもなりました。

ただ、何となくダラダラと生きていたなと反省することもありましたが、やはり、周りの愛情をないがしろにしていないかという点が、特に気になってしまいました。

イライラして、周りに八つ当たりしてしまうことも多いですが、それでも「大好き、愛してる」と言ってくれる気持ちにもっと応えなくてはと、前よりも沢山ありがとうと言えるように意識するようになりました。

 

一方で、塁のように全ておんぶに抱っこではなく、相手の個性や自立心を尊重して、すぐに手を差し伸べないように、時には突き放すことも愛情だなと一歩引いて考えるきっかけにもなりました。

また、序盤のうまく噛み合わないふたりの姿を見ていると、話さずに察しろという心理の実践の難しさも感じました。

「早く動いて」とよく言ってしまう自分にも反省すべき点があるなと改めて感じました。

印象的なシーンは?

赤い糸

私がこの作品で一番印象的だったのは、やはり、「良くも悪くも人の縁はなかなか断ち切るのが難しい」という点です。

それは、塁にとっては、幼馴染の恭介との黒い絆であったり、いくら不義理をしても追いかけてきて手を掴みに来てくれる暖かい陣コーチだったりします。

 

ですが、それよりも最強なのは、やはり明香里との運命の赤い糸なのかなと思います。

明香里との繋がりは、恋愛漫画のような綺麗な赤い糸ではないかも知れません。

ですが、塁は明香里と別れてふたりの写真さえ捨ててしまっても、2人の思い出のシーグラスだけは死にかけても離しませんでした。

彼自身、明香里との赤い糸は、簡単に引きちぎれるような糸ではないと気付いていたような気もします。

塁は明香里がまた視えるようになった時、自分が塁だとバレないように、病院では偽名を使ったり、タトゥーの跡も隠したりします。

しかし、最終的には明香里の店を訪れて金木犀を買ったり、オルゴールの音色に涙したりと、うっかり明香里に手がかりを与えてしまっています。

そういう塁の詰めの甘さも愛しくなりますが、やはり、人はひとりでは生きていけないんだなと再確認させられるところが最高にグッときます。

恋人や伴侶、そして好きな人がいる人はもちろん、恋愛から遠ざかっている人も、恋って良いなと思える作品なので、是非老若男女色んな人に見て欲しいです。